敗れたチーフス（AP）

　アメリカンフットボールＮＦＬの頂点を決める第５９回スーパーボウル（ＳＢ）が９日、米ニューオーリンズのスーパードームで行われ、３連覇を目指したＡＦＣ王者チーフスがＮＦＣ王者イーグルスに２２―４０で敗れた。前半だけで０―２４と大量点を許し、最大３４点差を喫する完敗だった。 ◆スーパーボウルに登場したスーパースター【写真】 　最大の敗因は攻撃ラインが完敗したこと。今季レギュラーシーズン喪失距離１位だったイーグルス守備のフロント陣４人をコントロールできず、スーパースターＱＢパトリック・マホームズ（２９）が常にプレッシャーにさらされる。その結果が合計６度の被サックとリターンＴＤを含む２インターセプトだった。 　チーフスは今季を含め６シーズン中５シーズンでスーパーボウルに出場し、うち３度を制覇。ＡＦＣ決勝には７季連続で進出し、今季レギュラーシーズンでもＮＦＣのライオンズと並ぶリーグ首位の１５勝２敗を記録した現代ＮＦＬ最高の常勝軍団だ。 　一方で、今季は１５勝のうち１０勝は１ＴＤ差以内での決着。総合力は勝率ほど傑出しておらず、マホームズとＴＥケルシーら経験豊富な主力たちの勝負強さで逆転で白星を重ねた形だった。シーズン最大の舞台スーパーボウルでまさかの大量リードを喫し、届かずに敗れた。 　だが、マホームズは意地を見せた。残り１分４８秒、イーグルスがシリアニ監督にスポーツドリンクを浴びせる恒例のセレブレーション「ゲータレードシャワー」をした後でＷＲワーシーに５０ヤードの見事なＴＤパスをヒット。勝利に酔うイーグルスファンを静まり返らせた。 　守備陣も、イーグルスのエースＲＢバークリーを封じる見せ場を作った。最後に追い上げたチーフスは、これからもＮＦＬを代表する強豪であり続ける。（写真はAP）