【ここまで進んだ最新泌尿器の治療】前立腺肥大。中高年男性にとって前立腺肥大症は、最も身近な病気と言っていいでしょう。
前立腺は高齢になると肥大してきますが、その程度が大きくなり尿道を圧迫して排尿障害を起こすようになると、前立腺肥大症と診断されます。男性の排尿トラブルの主な原因のひとつで、50~60歳くらいから症状が出てきます。
症状は、初期には夜間の頻尿や残尿感で、進行するにつれ尿が出にくくなります。さらに悪化すると、尿が出なくなり、下腹部に痛みを覚え、尿漏れが起こります。
治療は、薬物療法と手術療法がありますが、まず薬物療法を行い、薬で改善しない場合は手術になります。薬はα受容体拮抗薬やPDE5阻害剤などで、頻尿・切迫性尿失禁がある場合は、過活動膀胱の治療薬(抗コリン薬やβ3交感神経作動薬)も使います。
これらの薬を3カ月以上使用しても、改善しなければ、手術を行います。
これまでは経尿道的前立腺切除術やホルミウムレーザー前立腺核出術といった方法が主流でしたが、最近ではより短時間ですみ、出血量が少ない手術法が広く行われるようになっています。
たとえば、接触型レーザー蒸散術(CVP、PVP)や経尿道的水蒸気治療(Rezum)といったもので、保険が適用されています。また、数年前に経尿道的前立腺吊り上げ術(Urolift)という新しい方法が保険適用になりました。
この手術はより体への負担が少なく内視鏡下で行われます。
方法は、糸で前立腺を圧迫して尿道を広げるというものですが、他の手術と比べ技術的に難しく、固定していた糸が外れる、出血が続くといった問題も起こっています。十分な経験を積んだ医師や施設を選ぶことが大切です。
なお、尿が出にくくなる排尿障害には、前立腺肥大以外に排尿筋低活動という別の原因もあります。こちらは膀胱を収縮させる排尿筋の働きが低下するのが原因で、尿の通り道である尿道を塞ぐ前立腺肥大とはメカニズムが異なります。放置すると尿閉(尿が出ない状態)が起きてしまいます。前立腺肥大症とは治療法が異なりますので、正しい診断が必要となります。
患者さんの中には前立腺肥大症と低活動膀胱が合併している方もいるため、見逃す可能性もゼロではありません。泌尿器の専門医の受診をお勧めします。
最近では患者さんへの問診(アンケート)、尿流検査+残尿測定、エコーによる前立腺の検査により、診断がより速く正確になってきています。
前立腺肥大症になる年代は、ちょうど前立腺がんに罹患する年代と重なります。前立腺がんは早期に発見し適切な治療を行えばほとんどが命に関わる心配のないがんです。そのためにも必ずPSA検査(前立腺がんや前立腺肥大などを調べる血液検査)を行うようにしてください。
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