【変容するインバウンド】#4 最近、中国人の間では、日本人が行く“ニッチな場所”に行きたいというニーズが高まっている。地元民しか行かないような裏山、地元客しか行かないようなスナック……、そんなところにも中国人観光客は神出鬼没だ。 富士山が一望できる新倉山浅間公園の“映えスポット”が超人気で駐車場を有料化…山梨県富士吉田市の苦肉 そして、SNSで発信するとそこは瞬く間に“穴場観光地”となり、中国人観光客が殺到する。中国人の行動パターンを決めるのは「小紅書」という中国版インスタグラムだ。彼らはここで紹介された観光情報をなぞるようにして徘徊する。「小紅書」のオススメとなれば、中国人観光客は大雪の白川郷でも震えながらアイスクリームを食べる。それほどの影響力を持つ。 ■「東京はどこも密すぎる」 中国の春節休み。不景気といわれているにもかかわらず多くの人が旅行に出かけた。大型連休に決まってSNSに投稿されるのは、人でごった返している全国の観光地の画像だ。高速道路は渋滞し、観光地の入り口では5時間待ち、どこへ行っても黒山の人だかりーーこんなコメントも珍しくない。 中国の観光地もすでにオーバーツーリズム状態だ。しかし、それでもなんとか持ちこたえているのは、観光地の規模が大きいからだ。天安門広場も万里の長城も、中国国内はもとより全世界から観光客を受け入れるだけのキャパはある。しかし、日本はどうだろうか。街づくりは道幅も狭くコンパクトで、観光地と住宅地は背中合わせ、あるいは観光地の中に生活空間がある場合もある。店舗も狭く、数人が入ればあっという間に満席だ。 余談になるが昨年12月にインフルエンザが大流行した際、欧州から訪日した友人たちがたちまち感染するのを目の当たりにした。感染は実に速かったのだが、このとき、ひとりがこう話していた。 「東京はどこも密すぎる。浅草、新宿、渋谷に人が集中、店舗も狭いし、座席と座席の間隔が近い。だから感染も速かったんじゃないかな」 すべてのサイズが小さく、かつデリケートにできている日本の観光地や店舗に、年間数千人規模の外国人観光客がやってくれば、もはや無事でいることは難しい。今年はそこにビザ緩和で中国からの観光客が上乗せされる。 観光客集中エリアでは、数の制限こそ目前の課題だ。観光税、入場料、二重価格制度や罰金制度、これらを導入するのかしないのか、そして納税者をいかに保護するのか──。観光客を歓迎する一方で、もはや一定の規制は避けて通れない。 =つづく (姫田小夏/ジャーナリスト)
Advertisement
Advertisement



Advertisement
Advertisement






Advertisement
Advertisement











Advertisement




















Advertisement