肺がん 「進化したCT」で必ず見つける
試しに手元のスマホで「がん」と検索してみてほしい。病院、役所、新聞社に生命保険会社と、いろいろな組織が数えきれないほどのサイトを作り、情報発信しているのがわかる。
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でも情報が多すぎて、かえってわかりづらい――そうは思わないだろうか。事実、国立がん研究センターなどが昨年11月にまとめた調査では、がん患者の約45%が「情報収集が難しい」と感じていた。今は健康な人でも、「がんかもしれない」と不安になったとき、まず何をすべきか即答できる人は少ないはずだ。
なにより大事なのは、早期発見である。そして、その方法も医療の進歩で様変わりした。まずは、がんの中で最も死者数が多く、毎年7万人以上の命を奪う肺がんから詳しく見よう。
「自治体のがん検診では胸部レントゲン検査や喀痰細胞診検査を受けられます。ですが、実はこれらの検査だけでは肺がんを見逃す危険性が高い。近年では放射線被曝量が小さい低線量CTが普及していますから、受けることをお勧めします」
こう語るのは、国内で五指に入るがん専門病院、国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)で呼吸器外科長を務める坪井正博医師だ。
レントゲンでの検査は、肺が心臓や肋骨と重なり「死角」ができて、がんを見落とすことがある。また自治体の検診では、担当する医師の専門性が高いか低いかで、がん発見率に差が出てしまうかもしれない。
「低線量CTは被曝量が通常のCTのおよそ10分の1で、比較的健康への影響が少ないのです。健康保険は適用されませんが、1万円ほどで受けられますから、50歳をすぎていて喫煙する人は、毎年受けるのがいいでしょう。
タバコをやめた、という人も油断は禁物です。禁煙してから15年ほどは、がんのリスクが高いままなので、やはり毎年検査を受けるにこしたことはありません」
毎年CTを受けると死亡率が20%下がる
CTでは、あたかも体を輪切りにしたような画像を撮ってがんを見つける。近年では、この画像の精度(スライス)が厚さ1ミリ以下で、数ミリほどの小さながんでも見逃さないスキャナーも普及しており、昔に比べて格段に精度が上がっている。
「肺がんの早期発見には、らせん状に切れ目なく連続回転して撮影し、短時間・高精度で撮影できるヘリカルCTが向いています。
がん検診を実施しているような大きな病院であれば、最近ではヘリカルCTを使うことが多いですが、従来のCTで検査をしている病院の場合は、スライス厚が5ミリ程度と厚いこともあります。
どんなCTを使っているか、何ミリのスライス厚で検査しているかなどは、病院のホームページを見てもなかなかわかりません。疑問があれば検査のとき医師に直接聞いて、『次回の検査では、細かいスライスでお願いします』と頼むのもいいでしょう」
このところ巷では、血液や尿を調べるだけでがんが見つかる、と謳う検査が少なからず出てきている。ところが肺がんでは、こうした検査は早期発見にはあまり役立たないという。
「肺がんの検査では、血液検査で腫瘍マーカーを調べることはあまりありません。肺にがんができると、血中のCEAという腫瘍マーカーが上がることがありますが、これが上がっている場合、すでにかなり進行していることが多いのです。また、尿を使った線虫がん検査では、肺がんは見つかりづらいと言われています。
やはり肺がんの早期発見のためには、CTを撮ることが近道です。毎年レントゲン検査だけを受けている人と、毎年CT検査を受けている人とでは、肺がんでの死亡率が20%も違うというデータも出ています」
喫煙者がかかりやすい小細胞肺がんでは、全体での5年生存率は12%とかなり低い。検査の受け方ひとつで、寿命がまったく変わってしまうことを覚えておこう。
「週刊現代」2025年2月22・3月1日合併号より
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【つづきを読む】70代「肺がんステージ4」から奇跡の生還…「余命1年」の俳優を救った「診察室での娘のひと言」
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