元サイ・ヤング賞右腕トレバー・バウアーが日本球界に復帰する可能性が高まっているという。古巣DeNAが本命視される中、複数球団が水面下で動いているとも言われる。グラウンド内外で多くの話題を提供してきた男は、来季どこでのプレーを選択するのだろうか……。 【写真】実績十分も「来季は崖っぷち」なDeNAの選手がこちら バウアーは今季メジャーでのプレーは実現しなかったが、メキシカンリーグでは“一流”であることを印象づけた。14試合の登板で10勝0敗、防御率2.48。1試合19奪三振のリーグ記録を打ち立て年間最優秀投手賞に選ばれるなど、衰えを感じさせぬパフォーマンスを見せた。 「メキシカンリーグのレベルはMLBやNPBより下だが、映像を見る限りでは良い投球をしていた。打撃だけならメジャークラスの選手が揃っているリーグでの好投なので戦力になれることは証明した。条件が整えば獲得したい球団はあっても良いのだが……」(MLBアジア地区担当スカウト) バウアーは昨オフにメジャー復帰を最優先に考えていた。野球選手としてのプライドとともに、MLBの年金受給額が満額となる10年のサービスタイムに到達することを目指していたとも言われる。しかし、ドジャース時代の2021年に浮上した女性とのDV問題が今も大きく影響している。 「女性側とは和解が成立した。しかし、DV規定違反によりMLBから2シーズン分(324試合)の出場停止処分を科された事実は変わらない(処分はのちに194試合に軽減)。米国では女性に対する暴力へ嫌悪感を抱く人は多く、球団のイメージを考えても獲得に動くMLBチームはないだろう」(MLBアジア地区担当スカウト) メジャー復帰を模索してDeNAでは2023年に1年プレーしたのみで退団。先述のとおり、今季はメキシカンリーグで活躍したがMLB球団からは声がかからなかった。今では「残りの選手生活をNPBで過ごしてお金と名誉の両方が手に入るようにバウアー側が方向転換したのでは」(スポーツマネージメント会社関係者)という声も聞こえ、来季はNPB復帰の予感も漂っている。
「在籍時には何かとお騒がせな面もあったが、投手としての実力は誰もが認めている。勝負への執着心を高めることのできる存在であり、悲願のリーグ制覇と日本一連覇への大きな戦力になるのは間違いない」(DeNA関係者) DeNAでプレーした昨年は19試合に登板して10勝4敗、防御率2.76と投手陣の柱となった。バウアー自身のメジャー復帰への思いがあって退団したが1年経って状況は変化した。獲得に動くならDeNAは相応の額を提示をすることが予想され、NPB復帰となれば“本命”なのは間違いなさそうだ。 「バウアーとDeNAは良い関係性を維持していることもあり、他球団からよほどの高額オファーがない限り古巣復帰の可能性は高い。DeNAは日本一になったことで収益が大幅アップしたのに加え、今オフには外国人選手2人を自由契約にするなど獲得資金も準備できている」(スポーツマネージメント会社関係者) DeNAは今シーズン観客動員数が235万人を超えるなど球団経営も好調。セットアッパーとして活躍したウェンデルケン、日本シリーズで勝負強さを見せた野手フォードの2人と再契約を結ばなかったのも、「バウアー獲得への布石では……」と言われる。 DeNA復帰が濃厚と見られるが、ここへ来て「ソフトバンクからFA宣言した石川柊太の動向次第で、バウアー獲得に動く球団が増えるはず」(在京球団編成担当者)という意見もある。 「(石川には)FA残留を認める方針のソフトバンク、菅野智之のメジャー挑戦で先発右腕補強が必要な巨人、今季は低迷(パ・リーグ5位)したオリックスは可能性がある。3球団とも資金力は豊富であり、石川を逃した場合はバウアー獲得に名乗りを上げると見られる」(在京球団編成担当者) ソフトバンクは毎年のように潤沢な補強資金を使うことで有名。巨人は阪神からFA宣言した大山悠輔(結果的に残留)の獲得資金に用意した40億円とも言われる予算がある。オリックスも山本由伸(ドジャース)がポスティング移籍した際の譲渡金が残っていると言われる。
「複数球団が獲得に動けばバウアーにとって最高の売り手市場になる。昨年のDeNAとは付帯条件を付け1年300万ドル(当時約4億円)で契約したが、それを大きく上回る条件を引き出せる。3年20億円超えの高額契約になる可能性もある」(スポーツマネージメント会社関係者) サイ・ヤング賞を獲得した2020年オフにドジャースと結んだ3年契約では、2021年の年俸は2800万ドル(約42億円)。当時に比べれば格安感は否めないが、それでもMLB以外でこれほどの好条件を提示できるリーグはないだろう。 「頭の良い選手なのでMLB復帰は絶望的だとわかっているはず。来年1月で34歳になることを踏まえても、今後を考え少しでも良い条件で契約を結びたい。交渉は長引くことも予想され、DeNA時代同様に開幕直前まで所属先が決まらないとも考えられる」(スポーツマネージメント会社関係者) 日本シリーズが開催された横浜スタジアムでは、いまだに背番号「96」のバウアーのユニホームを着たファンも目についた。DeNA復帰が最善のシナリオなのは間違いないが、そこにはビジネス等も複雑に絡んでくる。 一大旋風の余韻もまだ残る中、またしても日本球界に大きな話題を提供しようとしている。今オフもバウアーの去就からは目が離せそうもない。来季はどこのユニホームを着ているのだろうか……。
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